第10回 「私が歩んだキャリアパス」講演会報告

 「私が歩んだキャリアパス」講演会は、今年で第10回を迎えました。2020年10月17日(土)14時より、zoomによるオンライン形式で開催されました。新型コロナウイルス感染拡大に伴い教室内で開催することができませんでしたが、対面を避けた形をとることで今年も開催することができました。

写真1:進行を務めた横山さんネ, 写真2:キャリアパス講演会担当江崎さんによる開会の挨拶
 
 今年はオンライン開催ということで、参加者には事前にメールにて登録をしていただくことになり気軽に参加しづらかったためか、出席者数は例年と比較して少なく40名ほどでした。参加者はM1と学部生がほぼ同数でそれぞれ4割ほど、さらに卒業生も少数ですが参加してくださいました(グラフ1)。またこの講演会の開催を知るきっかけでは友人方らの情報がほとんどでした。例年はポスターなや教職員からの情報も多くありましたが、今年は学生がキャンパスに訪れることが少なかったためか、少数でした。
 

 今年は新型コロナウイルス感染拡大により就活の形が大きく変化したため、OBの講演者だけでなく今年就活を行った修士2年生の方4名にも講演を行っていただきました。
 
講演者
◇於保声香さん:東京都立大学 修士課程2年 金村研
◇長岡駿輔さん:東京都立大学 修士課程2年 高木研
◇岩崎玲奈さん:東京都立大学 修士課程2年 梶原研
◇金久保仁志さん:東京都立大学 修士課程2年 久保研
◇吉田雄麻さん:昭和電工マテリアルズ(旧 日立化成株式会社)
        首都大学東京大学院2011年修士修了 高木研
        東京都立大学 博士課程2年 高木研
 
 修士2年生の方々の講演内容はすべて就活に関係しており、於保さんは前準備、長岡さんは選考、岩崎さんは研究職以外、金久保さんは研究職の就活をテーマに講演していただきました。一人当たり10分程度という短時間で、各項目を簡潔かつ詳細に説明して下さりました。
 
 於保さんは修士1年生の頃からインターンシップや自己分析に積極的に取り組み、その経験や分析を志望する業界の絞り込みに活かしていた様です。於保さんが実際に自己分析した際のメモを紹介していただくなど、これから就活を行う参加者に具体的なイメージが持てるような説明をして下さいました。

写真3:講演する於保さんと講演資料の一部
 
 長岡さんは就活本選考に関わるエントリーシートおよび面接についてお話をしてくださいました。また、新型コロナウイルスにより面接がオンライン化したことによる影響など、今年就活を行った方にしかわからない内容も説明されており来年就活をする参加者は特に興味深く話を聞いていたであろうことが想像できました。

写真4:講演する長岡さんと講演資料の一部
 
 岩崎さんは自身の就職先である知的財産権のコンサルタントの業界についての説明と、そこに志望するに至った経緯をまとめてくださいました。修士卒の就職先は研究職に限定されておらず、修士だからこそもっと広い業界・職種に就職できる可能性があることを参加者に知らせてくれました。

写真5:講演する岩崎さんと講演資料の一部
 
 金久保さんは、他の方よりもインターンシップや自己分析などの準備が遅れてしまったこと、それにより就職のビジョンが見えず焦っていたこと、また最後には有名企業の研究職として運命的な内々定をいただけたことを自身の実体験としてお話していただけました。実体験であるが故にその言葉には重みがあり、参加者へ強く訴えかける力がありました。

写真6:講演する金久保さんと講演資料の一部
 
 そして最後にOBの吉田さんが「博士号って必要?」という演題で講演を行いました。学生目線ではなく社会人の目線で研究職の現状と博士号の重要性、そして社会人ドクターとして仕事と研究活動を両立することの難しさをご説明くださいました。
そして最後には参加者の学生に向けて、博士を取るか否かの選択は自分次第と熱弁しておりました。

写真7:講演する吉田さんと講義資料の一部
 
 講演後に行ったアンケートでは、「全体として良い講演だった。」「貴重なお話聞けました。ありがとうございました。」「学生には親しみやすい雰囲気だったので、よかったと思います」など好評でした。また今年初めてとなるzoomでの開催については、「自宅から参加しやすいのと、匿名で質問できるのがありがたかったので、今後もZoomで開催してほしいです。」「ZOOMでの開催でしたが、気軽に聞くことができたので良かったです。」などオンラインならではの気軽さを好意的に捉える意見が多くありました。
 学部学生からは、「来年もM2の先輩のお話を聞きたいと思いました。」「貴重な講演ありがとうございました.また開催して欲しいです.」など来年の開催に加え、M2の方のお話をまた聞きたいとする要望をいただきました。
 
主なアンケート結果は以下です。

写真8:アンケート結果
 
 毎年恒例となっていた講演会後の懇親会は講演会に参加できなかった学生も加わり、講演会の感想などを学年・年代の壁を越えて共有する場となっていました。しかし今年は講演会がオンライン開催であるため、少々寂しいですが、懇親会は不開催となりました。
 
 今年のキャリアパス講演会はオンライン開催、現役学生の講演、懇親会不開催と例年にない状況下であり、講演途中にも回線のトラブルが発生しましたが、進行役の横山さんや講演者の皆様の機転により無事終了することができました。
 講演者にはもちろん、大学内のPRなどに尽力いただいた立花教授に大変お世話になりました。ここにお礼申し上げます。
 そして、新型コロナウイルスの一日も早い収束を心からお祈り申し上げます。