第11回「私が歩んだキャリアパス」講演会報告

 「私が歩んだキャリアパス」講演会は、今年で第11回を迎えました。2021年10月9日(土)14時より、zoomによるオンライン形式で開催されました。昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大に伴い教室内で開催することができませんでしたが、対面を避けた形をとることで今年も開催することができました。
 
 講演は、修士1年の加藤さんの司会で、OB・OGの方2名、修士2年生の方2名の計4名の講演者から講演が進められました。

 
講演者
○鈴木美樹さん:東京都立大学 修士課程2年 高木研
○後藤美桜子さん:東京都立大学 修士課程2年 梶原研
○佐原里香さん:古河電気工業株式会社
        首都大学東京大学院 2018年 修士修了 益田研
○宮崎隼人さん:エヌ・イー ケムキャット株式会社
        →SABIC ジャパン合同会社
         →ビックケミー・ジャパン株式会社
        首都大学東京大学院 2011年 修士修了 益田研
 
 
 今年の出席者数は講演者の方々を含め、21名でした。例年より出席者が少なかった昨年と比べても半分ほどにとどまりました。出席者の内訳を見てみると、学部生が4割弱、修士1年生が5割弱、残る出席者が修士2年生となっていました。また、講演会の開催を知るきっかけでは、講義での紹介とポスターからが最も多い結果となりました。各研究室での周知が行き届かなかったためか、昨年最も多かった友人からの情報は少数でした。

 
 最初に、修士2年生の鈴木美樹さんが講演を行いました。鈴木さんは就活のスケジュール、おすすめの就活サイト、OBOG企業説明会、内定までのフローについて丁寧に説明してくださいました。就活を振り返って、良かったことと悪かったことについても言及しており、これから就職活動を始める参加者にとって大変勉強になる内容でした。

 
 修士2年生の二人目として後藤美桜子さんが講演を行いました。後藤さんはオンラインでの就職活動や文系職の就活に関するお話をされました。また、複数の会社の中から内定先を選択されたというお話の中で、学生側も会社を選ぶ立場にあるということを示されていました。

 
 続いてOGの佐原さんが「品質保証部での業務と女性の働き方」という演題で講演を行いました。技術系の仕事には、大学の研究室に近く、イメージのしやすい研究職だけでなく、様々な職種があることを紹介していただきました。また、女性のキャリアについて、会社の制度や職場の周りの方の例を交えながら、自身の「やる気」と「理想の生き方」次第で如何様にもなるということを強調されていました。

 

 最後にOBの宮崎さんが「化学系キャリアの考え方」という演題で講演を行いました。宮崎さんは、これまでに3つの会社を渡り歩いてきたご自身のキャリアから、自身の市場価値をどうやって上げるかということについて語られました。特に、「世の中の現象を理解している化学系の人間が、他のスキルも手に入れることができれば強力な人材になり得る」というメッセージは大変印象的でした。

 
 講演後に行ったアンケートでは、「就職活動の話はとてもためになった。」「修士の方の就職活動体験談を聞く機会は少ないため、参考になった。」「様々なバックグラウンドを持つ方の就職に対する考え方を学べた。」「転職についての話が聞けたので、就職活動を終えたが良い機会となった。」「講演のトピックが幅広く、大変勉強になった。」「様々な年齢、性別の方からお話を聞けて良かった。」など、これから就職活動を行う参加者にとって身近な修士2年生のお話や、様々な経験をされたOB・OGのお二人のバラエティに富んだ講演が好評でした。
 一方で、参加者のほとんどが同窓会委員で集客ができていなかったことに対し、「予め講演内容やタイトルを宣伝することで就活を終えたM2も集客できるかもしれないと思った。また平日に開催とすれば、同窓会委員がその場で再度呼び掛けて、研究室で見てもらうことが可能だと思った。」という貴重なご意見をいただきました。
 
主なアンケート結果は以下の通りです。

 
 毎年恒例となっていた講演会後の懇親会は講演会に参加できなかった学生も加わり、講演会の感想などを学年・年代の壁を越えて共有する場となっていました。しかし今年も講演会がオンライン開催であるため、少々寂しいですが、懇親会は不開催となりました。

今回の講演会開催にあたり、講演者にはもちろん、大学内のPRなどに尽力いただいた立花教授に大変お世話になりました。ここにお礼申し上げます。
 
 新型コロナウイルスのワクチン接種も進み、新規感染者数も減少傾向にあります。このまま収束に向かい、来年は対面形式での開催が行えることを切に願います。